なぜオーストラリア人は捕鯨に反対するのか?

鯨の肉、久しく食べていないのではないですか?

今や珍味となった鯨ですが、昔は学校給食に出るような身近な食材でした。

しかし自然環境保護の観点から捕鯨は規制され、今ではほとんど口にすることはありません。

その捕鯨に対して、特に反対的な立場を主張するのがオーストラリアです。

なぜオーストラリアの人たちは、 捕鯨に対して反対し続けるのでしょうか?

 

鯨と人間の生活との関り

水産庁
引用元:水産庁

日本人と鯨は、歴史上からも深い関わりがあります。

鯨が人間の生活にどのように関っているのかを整理してみました。

  • 鯨肉

鯨の肉は栄養価も高く、内蔵や軟骨も食材として用いられその調理法は多数あります。

  • 鯨油

鯨の油の用途も多岐に渡ります。
食用油、石鹸の原料、灯用、化粧品の原料など様々です。

  • 鯨骨

鯨の骨は世界各地で、古くから使われてきました。

日本の歴史は縄文時代まで遡り、狩猟の道具などに使用されていました。

江戸時代に入ると鯨の骨を加工する文化が定着し、工芸品にも使われています。

  • 鯨ひげ

プラスチックが発明される前、鯨のひげにはさまざまな用途がありました。

釣竿の先端に使われ、釣り道具としては欠かせないものでもありました。

 

その他にも肝油は香料として、メロン体はテニスラケットのガット、食用外の肉や鯨油の絞りかすは肥料として使われてきました。

こうして鯨は人間の生活にとって、欠かせない生きものとして存在していました。

 

オーストラリア人が捕鯨に反対する理由

20世紀に入り捕鯨は世界中で加速し、特に日本の捕獲量は世界中で問題視されました。

絶滅の危機に瀕する事態も心配され、20世紀後半には捕鯨に関する様々な規制が生まれます。

1976年(昭和51年)には水産会社ごとの操業は断念されて日本共同捕鯨株式会社に統合された。

1982年(昭和57年)にIWCで商業捕鯨停止が決議されると、後に日本もこれを受け入れる。

1986年(昭和61年)に南氷洋での商業捕鯨としての母船式捕鯨は完全停止された。

1988年(昭和63年)には、太平洋でもミンククジラとマッコウクジラの商業捕獲が停止。

このような経緯を経て、日本の捕鯨活動は衰退していくのですが、

2014年3月31日に国際司法裁判所(ICJ)は、南極海における日本の調査捕鯨計画JARPA IIについて、現状の調査方法は事実上の商業捕鯨であり調査捕鯨とは認められないとする判決を下した。

ついに捕鯨調査すら商業捕鯨と判断され、規制がかかる自体に陥っています。

この背景には、オーストラリアの反対意見が強いようです。

なぜオーストラリアは捕鯨に反対するのか、考えられる点を整理してみました。

 

観光収入

ホエールウォッチング

引用元:Navitour

オーストラリアにとってホエールウォッチングは莫大な観光収入源でもあり、その産業収入は推定で14億ドルとも言われ 鯨はオーストラリア観光の主力的存在です。

観光の柱でもある鯨を保護する立場でいる必要があるから、反対の立場を取っていると考えられます。

自然保護

自然環境の保護や絶滅の危機は、鯨に限らず様々な動物でも騒がれています。

ウナギにも捕獲規制がかかる時代ですから、何も捕鯨に関してだけの問題でもありません。

産業が発達し、大量消費が可能な現代においては、人気食材でもある鯨に利害が生じるのも自然なことです。

世界の人口も70億を超えその分食材の消費量も増えているわけですから、鯨を捕獲すれば売れることは間違いありません。

人口の増加に合わせて捕鯨を続ければ、鯨は絶滅してしまいます。

 

これからの時代に必要なことは

オーストラリア人が捕鯨に対して反対する理由は、一つや二つではないと思います。

反対の理由一つ一つに目を向けるよりも、増え続ける世界の人口に対して鯨との関りに目を向けるべきです。

生態系に対する研究も進んでいる訳ですし、地球は人間だけのものではないのですから共存共栄、生態系のバランスの観点から捕鯨規制を考えてるべきです。

反対の理由ばかりが増えて、問題を複雑にしているようにも見えます。

 

観光収入を心配するオーストラリアの考えも否定は出来ませんが、一部の人間の利害を前面に出せば反対意見が出ることは明白です。

だからと言って、観光収入で生活する方々の生活を脅かすような行動も良いとは言えません。

少なからず鯨が増えすぎて生態系のバランスを崩している訳ではないのですから、しばらくは規制があっても良いのではないでしょうか。

人類の歴史に深い関りを見せる鯨は、生活だけではなく宗教や文化面でも人間と深い関りを持ってきました。

それだけに論議が複雑化しているようにも見えますが、未来を考えると捕鯨に対する論点は共存共栄に絞っていくべきだと考えます。

これは鯨に限った問題ではありません。


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