なぜリニアモーターカーは中国と日本で違いがあるのか?

リニアモーターカー。時速500kmで東京・大阪間を1時間で結ぶ夢の乗り物です。2027年の日本での開業に向けて着々とプロジェクトは進行しているようです。

しかし実は世界で初めて商業リニアモーターカーとして実用化されたのは中国においてです。

浦東国際空港と上海市郊外とを結んで2002年12月に開通しました。

当時は2008年8月の北京オリンピック開催を控え、中国の技術を世界にアピールする狙いもあったようです。

 

しかしこの中国のリニアモーターカーと日本で開発中のものにはいくつかの違いがあるようです。

 

方式の違い

リニアモーターカーには大きく2つの方式があるそうです。

基本的には磁石のN極とS極の反発と引力を利用して車体を浮上・推進させていきます。

これは2つの方式とも変わりません。小学生のときに理科の実験でやったことを思い出しますね。

中国で採用されているのはトランスラピット方式と呼ばれており、もとはドイツの技術でした。

ガイドレールに常電導電磁石があり、その上で車体を浮上させます。常にレール上で車体は浮上しているため、車輪はありません。

一方日本で採用されているのはジェイアール式マグレブ方式です。

これはU字状に電磁石が設置されており、U字の下部に浮上用の電磁石、サイドに推進用の電磁石が配置されています。

下部の電磁石だけでは浮遊力が弱いので、停車時には浮かび上がることができず、そのために車輪がついています。

駅ではレールに着地し、発進後加速とともに浮揚するという感じです。

 

なぜ違う方式が採用されたのか

それではなぜ日本と中国は違う技術を採用したのでしょうか

まず日本側の事情から説明すると、地震が多く狭い国土という理由が挙げられます。

トランスラピット方式はレールの上で浮揚しているだけですから横揺れにはとても弱い構造になっています。

路線にカーブも作らざるを得ず、また万が一地震が起こった場合の安全面を考慮されたわけです。

また騒音についても、基本的にトランスラピット方式は路線の両側についたてを立てるだけですので、完璧とはいえません

その点ジェイアール式マグレブ方式であればU字型に囲ってあるわけで、万全な騒音対策を立てることができます

日本では(新幹線もそうですが)民家に近いところも走行せざるを得ず、こうした騒音・安全対策は最優先課題となります。

 

中国側の事情としては、上段にも書きましたが、なんと言っても北京オリンピックまでに完成させたかったという、政治上の配慮が優先されたということがあげられます。

中国の技術開発力を世界にアピールしたかったのでしょうが、トランスラピット方式はどちらかといえば製造も簡単で、何より安価で設置ができます。ある意味急ごしらえが可能だったわけです。

また広い中国のこと、騒音対策も重要な問題ではないでしょうし、地震についても日本ほど過大に心配をする必要はありません。さらにカーブもごく少ない路線の設計も可能でした。

安全面に考慮が無い、とまではいえませんが、まあ中国らしいおおらかさ(?)で製造したとは言えるかもしれません。

実際に乗った方の話では乗り心地も決して手放しでほめられるものではなかったようです

総合的にみてどちらが良いリニアモーターカーかということは、今の時点では申し上げられません。

それは歴史が判断することでしょう。

しかし、日本にはこれまで新幹線で培ってきた高速鉄道についての素晴らしい技術があります。

そのノウハウも生かした中できっと最高のリニアモーターカーが完成するに違いありません。

新幹線と同じようにきっと世界に誇れる乗り物になるでしょう。

正式開業が待ち遠しいですね。


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