なぜロシアはクリミアをあっさり編入できたのか?

今回は「なぜロシアがクリミアをいとも簡単に編入することができたのか?」ということをお話していきたいと思います。

ものすごくわかりやすく解説することを心がけますのでどうぞお付き合いください。

そもそも「なぜロシアはクリミアを編入するの?」という疑問については前回の記事で丁寧に解説していますので、事前にご覧になって頂ければと思います。

クリミア編入
画像引用:CNN.co.jp

 

ウクライナに問題発生!?

前回の記事で地理的にも経済的にも歴史的にもウクライナは西と東に分裂しているということをお話しました。

重複になりますので詳細は省きますが、簡単に言うと、西側はEU寄り東側はロシア寄りということです。勢力図としては西と東に分かれているのですが、人口の割合で見ますと、歴史的な背景もありウクライナにおけるロシア人の割合は60%程になります。

ただ、西側にはタタール人という、元々クリミア半島で文化を築いていた多くの先鋭的な民族主義者がいます。

ある時、ロシアに不満を抱いていたタタール人達がウクライナのヤヌコーヴィッチ大統領を追い落とそうとするんですね。そのヤヌコーヴィッチ大統領はロシア寄りなんです。

この動きがあったのはちょうどソチオリンピックが開催されている時でした。

さぁ、この後どうなったのでしょうか?

実はここからクリミア編入までのプーチン大統領の動きが圧巻だったのです。

 

ヤヌコーヴィッチ大統領の逃亡

まずプーチン大統領はタタール人がヤヌコーヴィッチ大統領を追い落とそうとしていることをいち早く察知し、ウクライナの国内に情報網を張り巡らせます。

そしてあっという間にヤヌコーヴィッチ大統領をロシア領に引き取って逃がしてしまうんです。

ヤヌコーヴィッチ大統領
画像引用:ままくんカフェ

この時点ではまだソチオリンピックが行われている時です。

オリンピック期間中、プーチン大統領はこれ以上の表立ったことは何もしませんでした。

まるで「嵐の前の静けさ」という具合に、プーチン大統領は何も言わずに黙っていたのでした。

そしてソチ五輪終了直後、事件が起こったのです。

 

ロシアのクリミア編入

2014年2月23日、ソチオリンピックが終了した「瞬間」にプーチン大統領は覆面部隊のようなものをクリミア半島に送り込んだのです。

そして議会を完全に包囲し、ロシアに近い人間ばかりで議会を構成させました。

その後クリミアの自治議会にロシア寄りの新しい首相を誕生させ、この人がいきなり独立宣言に近い形で議決を次々に通していきました。

そしてなんと、「クリミア半島の正規軍はロシア軍だ」という議決を通してしまったのです。

ソチオリンピックが終了してたった4日後の2014年2月27日の出来事です。

これがいわゆる「玉を一発も発することなくクリミアを編入した」と言われる経緯です。

元々のウクライナの軍隊はいつの間にか非合法になってしまったんですね。

あとは事務ベースの編入手続きを淡々と進めるだけでした。

プーチン大統領の恐るべき早業です。

 

ウクライナ情勢の今後

前回の記事でも解説しましたが、地政学的にも経済的にも歴史的にも、クリミア編入はロシアにとって勢力拡大の第一歩となります。まさに「これからやるぞ~」という意思表示とも受け取ることができます。

当然アメリカのオバマ大統領は何としてもこの動きを止めたいと考え、いち早くロシアに経済制裁を課しました。

オバマプーチン
画像引用:Bloomberg.co.jp

 

しかーし!

「中途半端な経済制裁なんて何の役にも立たない」

これが多くの専門家の見解のようです。

小さい国であればまだしも、ロシアのような大きな国に対する経済制裁はほとんど効果がないということです。

実際のところ、本気で締めあげる方法はいくらでもあるようですが、もし本気でやったらどうなるのか・・・

たとえば、ヨーロッパは天然ガスや石油などのエネルギーの3割はロシアからパイプラインを引いてもらっています。

もっと本気で経済制裁を実施したとして、もしプーチン大統領が「あっそう。わかったよ。」と言って蛇口をしめてしまえば、世界経済は大変なことになってしまいます。

日本の立場としても対応が難しいです。

安部総理の本心はわかりませんが、北方領土問題やエネルギー資源の問題に関して、最近日本とロシアはぐっと距離が縮まってきたところでした。

しかし今回のクリミア編入問題により、一気にプーチン大統領とのコンタクトが取れない状況になってしまったのです。

 

「もう軍事力を行使してクリミア編入をやめさせるしかないのか?」

 

そんなことしたら全世界で戦争になってしまい、それこそ大変ですね。

 

「じゃあ国連で議決して国際法違反だからクリミア編入は認めない!って言おうか?」

 

いや、ちょっと待ってください。ロシアは常任理事国です・・・

常任理事国には拒否権があります。国連で何かを決める時にアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアのどれか一つの国が「ダメ!」って言ってしまえば議決は通らないんですね。

よって、ウクライナ情勢は今後ものすごくこじれることが予想されるんですね。

 

最後は今後の話になってしまいましたが、「なぜロシアがクリミアをこうもあっさり編入できたのか?」ということがおわかり頂けたでしょうか?

 

それにしても、

「世界の治安って何なんだろう?」

「正義って何なんだろう?」

今回のクリミア編入問題はこれらの疑問を生じさせ、世界平和の行く末を考えさせられるのは私だけでしょうか。


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